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恋は百年戦争19



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息を整えながら、ユンホに凭れかかって脱力するチャンミンの体はすっぽりとユンホの腕に包み込まれている。


背は高いけど、なで肩の細身。良く言えば華奢、悪く言えば男なのにひょろひょろなのがチャンミンのコンプレックス。でもそんな細い体は、さらに背が高くて体格の良いユンホの腕の中にちょうど収まり、背中と項に大きな手を回されて鼓動を感じるほどぴったりと体を密着させばチャンミンはうとうとしてしまう。



(なにこれ…すごい…)



めくるめく快感に、気持ち良すぎて恥ずかしい声を出してしまった。ユンホに触れられてイッたんだと思うとじわじわ羞恥心がこみ上げる。



こんな世界があるなんて。


たまにドラマでベッドシーンがあるとついチャンネルを変えてしまいたくなる気恥ずかしさがあった。でも実は、こんなに愛おしさで溢れるものだったとは。チャンミンは恥ずかしがり屋の自分のことを分かってか、積極的にリードして快感を吐き出してくれるユンホの強引さと巧みさにもう骨抜きだった。


倦怠感と余韻で放心状態のチャンミンを優しく撫でて、ユンホは微笑んだ。


「可愛かったよ」


「…ごめんなさい…汚しちゃって…」


「構わないよ」



ふたりの間に飛び散ったそれはユンホのシャツにも付着してしまって、チャンミンは申し訳なくて泣きそうに眉を下げた。全く気にしている様子はないユンホは平然と、チャンミンのそこをティッシュで拭っている。それをチャンミンは照れて直視できなかった。


「チャンミン、こういうの初めて?」


「はい。僕ほんとに…何も経験なくて…、すみません」


「何で謝るの?チャンミンの初めてが俺だなんて嬉しいよ。だから謝る必要ない」


「……は、はい」



きゅっと唇を噛んでチャンミンがはにかむと、汗で額に張り付いた髪をどけられてキスをされた。ユンホの唇が触れたところから熱が広がり、心の中が穏やかになる。当然初めてで幻滅されるかもと思っていたけど、ユンホは嬉しそうだ。


ユンホのは……大きいままだけどいいんだろうか?というチャンミンの考えを見透かしたように「俺は大丈夫だよ」と頭をぽんぽんと撫でられた。


「チャンミンは座位が好きそうだな…」


「ざい…?」


「ううん、何でもないよ」










チャンミンはユンホと会うたびキスばかりしていたわけではない。確かにキスは毎回してたけど。


実はユンホは誰もが知る有名な大学出身で、仕事帰りで忙しいはずのユンホは受験を控えたチャンミンの勉強に付き合ってくれた。初めは遠慮したが、ユンホは意外にノリ気で自らチャンミンのテキストを取り出して「懐かしいなぁ」なんて言いながら教えてくれるから、いつの間にかそういう流れになっていた。



「受験生のチャンミンの成績落とすわけにはいかないからね」


「ユンホさん…」


「でも俺はチャンミンに出来る限り会いたいから」


「はい、僕もユンホさんに会いたいので頑張ります」



チャンミンも、ユンホに夢中なせいで成績を落とすなんてことは絶対にしたくなくて人一倍頑張った。そんな頑張りをユンホはしっかり認めてくれて、余計に頑張ろうと思える。


「チャンミンは偉いな。理解も早いし、頭がいいね」


「そんなこと…僕、勉強しか取り柄がないんです。それに志望校にはまだ全然届かないし、将来やりたいことも特になくて」


「チャンミンの真面目さは長所だと思うよ。焦る必要はない。この年齢で明確に将来の事を考えている人は少ないし、少しずつやりたい事を探していけばいい」


「はい」


「今の志望校はどうやって決めたの?」


「父です。将来的にも、この大学を出ていれば間違いないからって」


「そうか。まあ…確かにそれも一理あるね」


「え?」


「社会では学歴が重視されることも多いから、上を目指していて悪いことはない。将来のことが未定なら余計に、チャンミンのためを想って言ってるんじゃないかな」


「………」



そんな考え方をしたことはなかった。いつだって父は自分のことばっかり考えていると思っていたから。



「でも、もしやりたいことがあるなら後悔せずに挑戦してほしい。自分で選ぶことも、自分の選択に責任を持つことも大事だよ」


「責任…」



僕は今まで親の言う通りに生きてきた。自分で考えて選択したことなんてあっただろうか。



父への不満はあってもそれを伝えたこともなければそれに背く強い意志があるわけでもない。



僕は弱くて中途半端だ。



ユンホさんみたいに立派な大人になりたい。優しくて、かっこよくて、何でもスマートにこなせる人。チャンミンの悩みも察して、さらっとユンホはチャンミンにとっての憧れだ。


僕も、ユンホさんにとって恥ずかしくないくらい…子供だと思われないくらいに成長したい。



「……でも、チャンミンの取り柄はそれだけじゃない。もっとあるけど、素直で可愛いところが俺は好きだよ」


「そんなこと…ユンホさん以外言われたことありません」


「じゃあみんなチャンミンの魅力に気付いてないか、直接は伝えてないだけだな。よかった」



嬉しいのに恥ずかしくて唇を尖らせ、突き放すような言い方をしてしまったのにユンホは余裕の笑顔でにこにこ笑っているからチャンミンは全く敵わない。



ユンホに触れたくてちらちらと見ていると、まるでエスパーのユンホはふっと口角を上げた。



「じゃあ、勉強はもういいかな?」


「はい」



腕を広げるユンホに迷わず抱き着いた。


いつも無事に勉強が終わればご褒美とばかりにキスをされてソファーの上で抱き合う。気付けばチャンミンはユンホに体中愛撫され、器用なユンホにすぐイかされるというのが最近の流れだった。



少しずつ少しずつ進んでいるけど、実際ふたりで出掛けたことはないし、あったとしてもたまに予備校の帰りにご飯を食べに行く程度。


お互いに、不倫という不毛な関係は十分理解している。でも止められないから恋なんだとチャンミンは自分を納得させていた。


だから、この部屋の中がチャンミンとユンホの関係の全てだった。



もっと先に進みたくてもどかしいけど、チャンミンはユンホに引かれるのは嫌で勇気が出ずに、どうも自ら歩み寄れない。



その均衡を破ってくれたのは、やはりユンホの方だった。






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コメント

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Re: No title

>しろさま

私の中ではかなりスローペースです!笑
歳の差があるとチャンミンも素直になれるので身を委ねられるのかなーと思います。

こちらこそありがとうございます〜!

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